村長あいさつ



 

 大鹿村ホームページをご覧いただきありがとうございます。

 令和6年は1月1日元旦に発生した能登半島地震により衝撃的な年の初めとなりました。震度7という非常に激しい揺れのために多数の家屋が倒壊し、災害関連死と併せて240人以上という多くの皆さんが犠牲となってしまいました。お亡くなりになられました方々に対しまして、謹んで哀悼の念を表しますとともに、今なお避難生活をつづけながら再建・復興に向け頑張っておられる被災者の皆様に心からお見舞い申し上げる次第です。

 さて令和5年度一年間を通じて振り返ってみますと、5月には新型コロナ感染症の分類が5類へと移行になり、その後も小さな波ながら感染の拡大縮小が繰り返される状態が続きました。そのような中、途絶えてしまっていた各種行政サービス事業やイベント開催、地域のコミュニティ活動などを再始動させるには多くのエネルギーが必要であったと思いますが、こうした取り組みに主体的にかかわられ、あるいはご協力をいただいた多くの皆様に心から感謝申し上げるところです。おかげさまで大鹿歌舞伎定期公演、夏祭り、oh!鹿祭、産業文化祭をはじめ多くのイベント、事業などを盛大に開催することができました。

 村の人口動態については、令和63月末における大鹿村の人口は880人と、いよいよ900人を切ってきました。長野県全体の人口でも200万人を切ったと報道されました。自然減つまりお亡くなりになる高齢の方の数が多いのが最も大きな原因で、これは仕方のない部分がありますが、村の人口を維持するためには転入を増やし転出を減らすことが求められます。また転入が増えれば出生数も増えてきます。

 現在庁内に配置した定住環境プランナーを中心に、村単住宅の確保、空家対策、仕事づくりなど、国の支援制度などを有効活用しながら移住定住促進を積極的に進められるよう、体制づくり、仕組みづくりを行っており、その計画に基づいて集落の再生、住宅の確保と併せ移住定住促進に取り組んでまいります。

 また持続的な林業・森林経営の推進のため、木の拠点施設整備に向けた研究も計画的に行ってまいりました。世界的な資材の価格高騰に合わせ国産木材の需要も高まってきているわけですが、残念ながら大鹿村内では伐期を迎えた森林資源を豊富に抱えながらも、地の利が悪く、効率的に集材し木材として生産できる体制が整っていません。CO₂削減義務のある企業からの出資を募るカーボンクレジット制度や森林環境税などを財源として有効活用しながら、木の拠点施設がまさにそうした取り組みの拠点となれるよう、令和6年度1年間かけて専門家の知見も得ながら計画を作り、次々年度から施設整備等にとりかかれるよう備えてまいりたいと考えています。

 さらにマウンテンバイクなどによるサイクルツーリズムを楽しめる林間コースの整備や体験ガイドツアー、南アルプス等登山道の整備など村の魅力を高める事業も積極的に行います。

 将来にわたって持続可能な大鹿村を実現できるよう、引き続き全力で務めてまいりますので、ご指導、そしてご支援賜りますようお願い申し上げまして、冒頭の挨拶とさせていただきます。

令和6年4月1日              大鹿村長 熊谷英俊